ザギトワ

【解説・フィギュア女子】加賀山由果の目…ザギトワ、後半のジャンプと「成長」の印象で金メダル 『ジャンプ、7度、一歩』

 金メダルに輝いたザギトワのフリー演技は、銀メダルのエフゲニア・メドベージェワに完成度で一歩譲ったようにも映った。

 しかし、7度のジャンプをすべて基礎点が1.1倍になる後半に集め、前半にも跳んだメドベージェワとフリーを同点に持ち込んだ。団体戦とSPの演技で、芸術性や表現力が成長著しいことを証明し、審判員に「右肩上がりの選手」と印象づけていた影響もあるだろうか。SPのリードを守りきることに成功した。

 ともあれ、ドーピング問題で母国のスポーツ界が揺れる中、OAR(ロシアからの五輪選手)という位置づけで出場にこぎつけた彼女たちの気持ちの強さ、競技への情熱を再認識させられるような熱闘だった。拍手を送りたい。

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金のザギトワ「幸せと同時に心に穴」 ロシア2選手会見 『記者会見、表彰後、エフゲニア・メドベージェワ』

 平昌五輪のフィギュアスケート女子で23日、金メダルを獲得したアリーナ・ザギトワと銀メダルを獲得したエフゲニア・メドベージェワ(ともにOAR)が、表彰後に記者会見に臨んだ。通訳を介した主なやりとりは次の通り。

 ――おめでとうございます。2人が体力的、精神的、技術的にこれほどまでに強い理由を教えてください。

 ザギトワ「毎日アイスリンクに通い、全てのエレメンツを練習してきたからだと思います。ルーティンにとどめずに取り組んできたことが、自信につながっています」

 メドベージェワ「毎日の練習で自信を得ました。トレーニングやアイスリンク以外の場でも自分にハードワークを課してきました。けがをした時も、ここにいない多くの人々が支えてくれました。改めて、私にメダルを取らせてくれた人々に感謝を伝えたいと思います」

 ――これまでロシアのスポーツを担ってきた世代と、いま2人が担っている世代で、何か違いはあるのでしょうか?

 メドベージェワ「そうですね。私たちの後にも若い選手たちがいます。将来どんな姿を見せてくれるのかはまだ分かりません。成長は、人生でもスポーツでも起きるので、常に前の世代とは変わってくると思います」

 ザギトワ「私もエフゲニアの意見と同じです」

 ――金メダルを取ったことは、これから人生にとってどんな意味がありますか? また、どんなことを感じましたか?

 ザギトワ「まだ受け取っていないので、五輪の金メダルを取った実感はありません。ただ、とても幸せなのと同時に、心に穴があいたような気分になりました。これまでのスポーツ人生でやってきたことを、これからも続けていきます」

 ――どうして心に穴があいたのでしょうか?

 ザギトワ「説明するのが難しいのですが、10年近く頑張って、いろいろなものを乗り越えて手にした金メダルだったからです」

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会場の一部でブーイングも。ザギトワ金、メドベ銀の採点を巡って議論沸騰! 「156.65点、OAR、アリーナ・ザギトワ」

 究極のハイレベルな争いとなった女子フィギュアのフリースケーティングは、ショートプログラム(SP)首位だったアリーナ・ザギトワ(15、OAR)が、156.65点、“女王”エフゲニア・メドベージェワ(18、OAR)も同じく156.65点の同スコアに終わり、SPで首位に立っていたザギトワが、そのリード分、わずか1.31点差で金メダルを獲得した。だが、その両者の採点を巡って海外では早くも議論が巻き起こっている。

 パーフェクトな演技に見えたメドベージェワが逆転できなかったことに疑問を投げかけたのは、ソチ五輪アメリカ代表のアシュリー・ワグナー(26)だ。ザギトワの金メダル決定後に3本続けてSNSにツイートした。

「うーん。あの(競技の)後で言えるのはこれだけ」とつぶやき、続いて驚きと困惑が混じったような表情の動画をアップした。さらに、「最後に楽しませてくれた今夜のトップ3選手へ」と感動しながら拍手をする動画で締めくくったが、何やら意味深なツイートだ。

 ワグナーは、欧州選手権でザギトワがメドベージェワを破って優勝した際にも、技術基礎点が1.1倍となる後半に7つのジャンプをすべて詰め込む“得点重視”の芸術性を無視したともいえるザギトワの戦略的なプログラムを批判していた。

「技術的には完璧で、その競争心には敬意を表します。でもこれはない。プログラムではない。彼女の前半は空っぽで、後半がカオスになった。これは演技ではない。採点の仕組みがそうさせていて、彼女のことを責め
ることはできないが、私は楽しめなかった。これはフィギュアスケートではないと思う」

 それだけに「アンナ・カレーニナ」の世界をまるで劇場作品のごとく美しく華麗に演じきったメドベージェワが逆転できなかったことに疑念を投げかけたのだろう。

 英国のBBCも「最後に滑ったメドベージェワは、ザギトワに十分に追い付いたように見えたが、審判たちは、2人に同じ得点を付けた」とザギトワの金メダルを批判的に報じた。

「わずかに有利な状況でフリースケートに入ったザギトワは、力強い演技を見せたが、3回転ルッツの着氷で小さなミスが出た。メドベージェワは素晴らしい演技で、すぐに続き、審判の得点結果が発表された後、観客の一部からはブーイングが起きた」とも伝えた。

 BBCは、1980年冬季五輪レークプラシッド大会で男子フィギュアで金メダルを獲得したロビン・カズンズ氏(イギリス)の演技分析も掲載した。

「ザギトワは乗っていたが、自分の心には響かなかった。メドベージェワは、我々にすべてを届けてくれた。その通り彼女のジャンプは小さかったが、それらは綺麗だった。彼女の演技は見事だった。彼女はショックを受け、我々のほとんどもそうだったと思う」と、ザギトワの金メダルに問題提起を行った。

 演技構成点では、メドベージェワは「音楽の解釈」の部門で5人が10点満点をつける9.89点の高得点を稼ぐなどして77.47点をマークしたが、ザギトワも75.03点と大健闘。本来、ザギトワを上回っているはずの芸術性、表現性の部分で、それほど大きなリードを奪うことができなかった。

 ザギトワの金メダルに批判的な意見のほとんどは、この差がもっとあっても良かったのではないか?という見解だ。ザギトワは、後半最初に3回転ルッツ+3回転ループの連続ジャンプが、単発に終わるミスを犯した。
 その後に3回転ルッツ+3回転ループジャンプを跳び直して見事にカバーしたが、作品全体としての評価とすれば、このミスは、演技構成点にもっと影響を与えても良かったのではないか、という見方だ。しかも、この単発に終わった3回転ルッツにも、0.50のGOE(出来栄え点)加点がついていた。

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平昌五輪 「ちょっとした戦争」メドベージェワ、ザギトワに“宣戦”布告 《ロシア、メドベージェワ、女王》

 21日行われた平昌五輪のフィギュアスケート女子ショートプログラム(SP)で2位となった銀盤の女王、メドベージェワ(18)=OAR(ロシアからの五輪選手)=が、首位に立ったライバルのザギトワ(15)=OAR=との戦いを「戦争」にたとえ、対抗心を燃やしている。世界が注目する女子の頂上決戦(フリー)は23日。宣戦布告の行方はいかに-。

 「どんな競争でもちょっとした戦争です」。米スポーツ専門チャンネルESPN(電子版)によれば、SPで一度は世界歴代最高得点をたたき出したメドベージェワは21日、続いて演技し世界最高を塗り替えたザギトワとの戦いについて、こう表現した。

 3歳しか離れていない2人はリンクを離れれば仲の良い親友同士。「私たちは若い女の子で互いに何でも話します。しかし、リンクに上がればスポーツなので、私たちは戦うのです」。メドベージェワはこう力を込める。

 これに対し、ザギトワも「ネガティブなものではないけど、練習でも本番でも(彼女に)ライバル心を持っています」と対抗心を燃やす。

 日本のアニメが好きで、温和な表情が特徴でもあるフィギュア界の女王・メドベージェワに対し、涼しげな表情を持ち、安定感抜群の演技を繰り出す天才少女・ザギトワ。

 米紙ワシントン・ポスト(電子版)は20日、「芸術性(のメドベージェワ)VSジャンプ(のザギトワ)」との見出しの記事を掲載。2人を次のように比較した。

 メドベージェワに関し、「彼女はアーティストであり、(会場に流れるショパンの)曲を指の先まで感じ取れる」と、その豊かな感受性を称賛。安定感のある3回転ジャンプについても「いとも簡単にこなす。しかも、片手を宙にあげたままだ」と華麗な演技を褒めそやす。

 一方、ザギトワについても「バネでも付けたかのようなジャンプをする」と天性の跳躍力に触れつつ、「ジャンプ時には(メドベージェワの片手とは異なり)両手を挙げるのだ」と驚きをもって伝える。

 21日、4位に食い込んだ宮原知子、5位の坂本花織も出場する23日のフリー。米ABCテレビ(電子版)は「ロシアのライバル同士が金メダルを制すのはほぼ間違いない」とまで断じ、大一番の行方を注視している。(五輪速報班)

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ザギトワに批判ツイート「後半にただジャンプするだけ」 《アシュリー、演技、ジャンプ》

 平昌五輪フィギュアスケート女子団体で世界歴代2位の自己ベストを出したアリーナ・ザギトワ(15)がフリーで後半にジャンプを集中させた演技について、14年ソチ五輪フィギュア女子米国代表のアシュリー・ワグナーがツイッターで「フィギュアの全てではない。前半に時間をつぶし、後半にただジャンプするだけ」と批判した。

 ザギトワは全てのジャンプを基礎点が1・1倍となる後半に跳ぶ異例の構成で演技を行った。

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