暁斗

暁斗「金メダル第1号になれれば」複合個人NH公式練習でも順調 《山元豪、渡部善斗、ほか》

 ノルディックスキー複合個人ノーマルヒルの出場選手が13日に発表され、日本はソチ冬季五輪銀メダルの渡部暁斗(29=北野建設)のほか、渡部善斗(26=北野建設)山元豪(23=ダイチ)永井秀昭(34=岐阜日野自動車)で臨むことになった。渡部剛弘(24=ガリウム)が外れた。

 13日には公式練習が行われ、ジャンプは強風のため中断を挟みながら実施。3回目に102・5メートルを飛んで全体2位と、順調な仕上がりをアピール。「日本チームにいい流れが来ている。それに僕も乗っていけるようにしたい。まだ金メダルを獲っている人がいないので、第1号になれれば」と語った。

 今季はW杯でシーズン自己最多の5勝をマークし、個人総合は首位。これまでW杯個人総合は2位3度。14年ソチ五輪でも個人ノーマルヒルで銀とあり、悲願の金メダルへの思いも強い。

 鍵は前半飛躍の出来。この日も風が荒れ、条件の当たり外れが大きかっただけに「(影響が)ないとは言い切れない」と苦笑しつつ「いいジャンプをすれば、それなりの位置につけられる」と自信をのぞかせた。

 個人ノーマルヒルは14日午後3時から前半飛躍、同5時45分から後半距離(10キロ)が行われる。

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【平昌で輝け】渡部由梨恵 会えない時間乗り越えて…暁斗と夫婦の絆で夢舞台 「感じ、私、向こう」

 五輪で夫婦一緒に代表に選ばれる。なんだか凄く特別なことにも思えるが、彼女の答えは意外に素っ気ない。「確かに夫婦なんでしょうがないけど、向こうは嫌じゃないかと思うし、私もどっちでもいいかなという感じ」

 フリースタイルスキー・ハーフパイプで初五輪を決めた渡部由梨恵(29=白馬ク)は、14年にノルディック複合の暁斗と結婚した。大学時代からの交際を実らせてのゴールインだった。とはいえ互いに海外遠征続きのすれ違い生活で、年間30~40日ほどしか一緒に過ごす時間はない。夫婦の写真も2人ともサングラスをかけたものが数枚。SNSにカップル写真を投稿する世代にこの距離感を分かってもらえるだろうか。

 だが夫婦関係は希薄どころか、むしろ逆である。ただでさえ競技環境の厳しい冬競技で、新興のハーフパイプはなおさら。結婚を機に金銭面のサポートを申し出たのが暁斗だった。「バイトしないでスキー一本でやらせてくれると。その時から私の環境は凄く変わってステップアップにつながった」。アルバイトや親戚への金策の時間と労力全てを練習に費やし、昨年5月に現在の所属先「ルネッサンスキャピタルグループ」が決まるまでの貴重な支えとなった。

 妻であってもそこに引け目がなかったわけではない。それを断ち切ってくれたのも暁斗だった。「申し訳ないとか言っていること自体がもう駄目だ。一生懸命やってほしくて出しているんだから、やり切ってほしい」。そう言われた由梨恵は「思い切ってわがまま言わせてもらって自分のために時間を使おう」と覚悟を決めた。大学卒業後にアルペンから転向。整わない環境で奮闘、ソチ五輪のプレ大会で右膝じん帯を断裂しても五輪の夢を諦めなかった。その努力と人柄ゆえに暁斗のサポートもあった。

 それぞれの目標に向かって、それぞれに邁進(まいしん)してきた日々。だがその裏には、写真には写らない夫婦の愛情と絆が隠されている。

 ◆渡部 由梨恵(わたべ・ゆりえ)旧姓・山崎。1989年(平元)1月12日、北海道富良野市生まれの29歳。3歳からスキーを始め、小1からアルペン競技に取り組む。札幌第一高から早大に進学し、卒業後にハーフパイプに転向。W杯では昨年12月中国大会の2位が最高。今回の代表にはバイアスロンの立崎幹人、芙由子とともに夫婦で選出。1メートル58、53キロ。

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